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2013年11月19日

鳥の絵

自分で描いたのに、どうしても思い出せない絵がある。
一羽の小鳥の絵なのだけど、それがどんな色でどんな姿だったか、ぼんやりとしか思い出せない。
その絵が今は何処にあって、どうなったかも、わからない。

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数年前の出来事。

私よりいくつか年上のSさんは、物静かだけど、絵が好きな、綺麗なひとだった。
時々しか話しはしなかったけど、なんとなく気になる女性。

ある日、彼女が病気で療養しているという噂を聞いた。
どうやらとても重い病らしいよ、と。

その話を聞いてから、彼女が1人で部屋で寝ている姿が目に浮かび、私は何かお見舞いのプレゼントをしようと思って、自分の出来ることは絵くらいかなぁと、小さい絵を描き始めた。
いつもならば描くのが遅い自分が、その絵はあっと言う間に描きあがり、家にあった額に入れ、彼女の旦那さんに渡した。

後日、「喜んでたって、ありがとうだって」と彼女の旦那さんから言付けを頼まれたという共通の知人が、私にさらりと言った。

なんの期待も見返りも、勿論求めてはいなかったけど、
その時、ちょっとだけ、私は拍子抜けをした。とても喜んで貰えるかなと、勝手に思い込んでいたから。

そして、その一ヶ月後、
彼女は、空に行ってしまった。


私の描いた小さい鳥の絵を、彼女はどう感じたのだろうと、今でも時々思い出す。

喜ぶといのは、私の身勝手な思い込みだったかもしれないと、もし、自分が彼女の立場だったらと考えた。

死が近づいている苦しいときに、自分より若く健康な女性から、何か慰められても、辛いだけだったのかもしれない。

無邪気なお節介は、時として人を傷つけることを、私はまだ知らなかった。

もう、何年も前の話し。だけど、彼女の顔ははっきり思い出せる。

でも、自分の描いた鳥の絵は、ぼんやり、遠い記憶。

kirinrin713kumiko at 23:20│Comments(0)無題 

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