2013年05月

2013年05月31日

Firenze12

なんだかモヤモヤしたままArezzoの夜は更け、とは言え居心地良い部屋だった。朝にチェックアウトする時に昨日の受付にいたおじさんが何やら他の従業員に説明してる、どうやらあのおじさんはこのホテルのオーナーだったみたいで、良きに計らってくれたみたい。おじさんありがとう!とお礼とサヨナラの挨拶すると、おじさんは「こんにちは」とたどたどしい日本語で言ってくれた。ホテルCeccoをあとにし。
朝は晴れていたので少しスケッチするDuomoの横にある丘の上の公園にて。

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すっかり芯まで冷え、
少し歩いてS.Francesco教会へ。

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素晴らしいCimabueの「キリストの磔刑」があります。

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Grande広場も晴れていると綺麗です。

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昨日と同じSita社のPrumanにてSansepolcroへ向かうために駅まで歩く。するとさっきまで晴れていたのに、また雨と冷たい風。寒い~。
雨はどんどん強くなり、Prumanの車中で止んでくれーと念を送ってみた。
今度も降りるバス停がわからないのであらかじめ、運転手さんに着いたら教えてとお願いしておく。
トスカーナの自然溢れる土砂降りの山道を1時間ちょっと、ようやくSansepolcroに到着したら雨はあがり晴れていた。神様ありがとー!(T . T)

城門をくぐり、街の中へ。小さな街、特に写真を撮るところも無くて(´・_・`)
とりあえず地図が無いので歩いて街の把握から。

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昼休みに入ったばかりでどこもChiuso.
学生が学校が終わったのかたくさんいた。イタリア放浪で初めて訪れる土地は、いつもドキドキする。無事に到着したとき、新たな場所を開拓できた喜びと共に安堵する。

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目指す美術館は昼休みで、開くのはあと二時間後。
お腹も減り、寒いのでPranzoを取ることにした。ここはちょっと、普段よりまともなお店にして、心身共に休もう。門の近くのRistranteへ。

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店内は数人の地元民とフランス語圏のご婦人グループ。

感じの良いお店のオーナー?らしき男性。そしてCamerieraの女の子が凄く可愛い上に優しい。料理を運んできてくれた時に、写真を撮りましょうか?、と言ってくれた。なので、この滞在で初の記念すべき自分の写っている写真。
でも、もちろん恥ずかしいので公開はお料理だけで。

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リコッタチーズとほうれん草のラビオリにチーズとトマト?という名前だったかな?

美味しかったとお礼とお勘定をして、Museo Civicoへ。やっと着いたー。

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ここには、Piero della Francescaの作品がいくつかある。
「ミゼリコルディアの聖母」
「キリストの復活」
「聖ユリアヌス」の作品は修復中でなかった。
美術館に1時間以上、とにかくジックリ鑑賞しメモメモ_φ(・_・
どの作品も画集で見るより当たり前だけど、迫力があった。
ぱっと対面した時に後ろにのけぞってしまう位、強い。
強いと言ってもフレスコ画は色は渋く、品があって日本画に通じるものを感じる。
「ミゼルコルディアの聖母」は金箔を使った祭壇画なのだけれど、金箔地の部分が古びているから、正に古い金屏風を思わせる。
祭壇画を演劇空間に例えた人がいたけれど、とても納得。
舞台の一幕を一幕が描かれているよう。そして、観る人に何かを語りかける。
演劇も絵画も音楽も、全て神様に近づく為の術だと感じる。

Pieroの家と、銅像を確認し、写真写真!知的な顔、、、カッコ良いですよね?!

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目的は果たしたので、あとは帰ろう。寒いし。

Prumanを待っていると、突然のにわか雨(>_<)
店先の狭い屋根の下、雨宿り。
ようやく、Prumanに乗る。

それにしてもイタリア人は携帯電話が大好き。カーブだらけの山道なのに、運転手さんは携帯で喋りながらの片手運転。怖くて気がきじゃないんですけど、、。そのうち、私以外の数人の乗客が皆携帯で話し出し。
もう、賑やかというかやかましいというか。笑うしかないですね。
話すという行為も、イタリア人にとっては生きてる証かのように喋る喋る。

Arezzo駅に着いたのは夕方の5時40分過ぎ。
46分発のフィレンツェに行く電車に飛び乗る。間に合ったー。

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Pieroを巡る小旅行はひとまず無事に終了。

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Firenze11

春にNYの美術館にて、Piero della Francescaの「Madonna col Bambino e quattro angeli」を運良く鑑賞出来て、素晴らしく、感動したせいで再びPiero熱が再燃した。イタリアにあるPieroの作品でまだ観ていない物が幾つかある。

フィレンツェ9時9分発のローマ行きの電車に乗り込み、Arezzoへ。

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フィレンツェのS.M.N駅。

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Arezzoにはこれで四回目。一番初めて訪れたのは10年以上前、やはり一ヶ月間の短期留学兼放浪の旅にてPieroのフレスコ画が観たくて訪れた。が、その目的の教会に入ると全面が幕で覆われ完璧な修復中だった。がーん、と落胆した記憶。
ヒットした映画「ライフイズビューティフル」の前だったし、普通の街だった。

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二年半前の留学時に再訪すると、ビックリ!街はお洒落なレストランやお土産も整い、すっかり観光地になっていた。
今回はArezzoを拠点にMonterchiとSansepolcroへ行こうと思う。この二箇所にもPieroの作品があるのだが、ArezzoからPrumanで行かないといけない。時刻表をみると、本数が少ないので両方を日帰りでは無理なことが分かった。日本のバスと違って、停車のアナウンスはないので自分で降りるタイミングを逃すと、とんでもないことになる。あーちょっと不安だなぁ。でも、Piero様の為、とりあえず行ってみることにした。
10時過ぎにArezzo駅に着いて、すぐに駅前でPrumanのチケットを買うけど、、まあまあ広いParcheggioは色々なバスが止まっている。どれがMonterchiに行くバス停か分からない。そこら辺にいる人に手当たり次第聞いて、無事にバスに乗れた。
prumanはトスカーナの山の国道をぐんぐんと走り、40分位すると何も無いバス停に着いた。

乗る際に余りに私が不安気にMonterchi行くかと聞いたせいか、到着すると運転手さんが陽気に教えてくれた。
降りるとバス停には大雑把な地図があるだけで、はて?どっちだろう。

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唖然としていると、向こうから救いの神が!
おじいさんがテクテクと散歩。すかさず聞くと丁寧に分かる所まで私を連れていってくれた。ありがや涙。
Piero様の母親の生地でMadonna del partoは元は礼拝堂の壁にあったフレスコ画。今は美術館に移され、村一番の宝なのでしょう。

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しばらく歩くと直ぐに美術館を発見。良かった~!

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ようやく対面できた「Madonna del parto」。
写真を撮っても大丈夫ですか?と受付の女の子に聴くと、Flash無しならオッケーと。嬉しいな、と思い数枚撮ってから、はっと気付く、写真は禁止のバッテン表示がある。本当はダメみたいだ。

たった一枚の絵の為に、はるばる来た東洋人の気持ちを分かってか、優しい心遣いだったのかな?
写真をパシャパシャ撮るのもなんだか不謹慎な気持ちにもなり、静かに絵を観る。
誰もいない。私とその絵だけの世界。
なんだか自然と涙が溢れ、ホロホロ泣いてしまう。鼻をすする音が恥ずかしいなぁと思いながら、感傷的になってばかりじゃダメだわと、気付いた事をメモメモ。
日本人でPieroファンは沢山いる。多分、感情に流されていない計算された構図、だけど暖かくドッシリとした姿上品な寛容さと、静かな悟りを啓いたかのような表情が、仏像に通じるからでは?と思う。

絵の前には花束が幾つか手向けてあった。やっぱり唯の絵ではなく、この村の人にとって昔から大切にされてきた守り神なんだな、と思った。
Arezzoへ戻る時刻を気にしながら、この聖母と天使にお別れをした。
バス停近くにあったBarで一休み。

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村の働くおじさん達の憩いの場だったみたいで、ちょっとだけ目線を感じた。やはりこんな場所に珍しいかな東洋人女1人。
午後3時頃にArezzoに無事に戻り、さてさて、今夜の宿泊場所を探さねば。
困った時は「地球の歩き方」。
この本に載っていたCeccoという二つ星のホテルに、迷いながらまたもや街行くおじいさん達に助けられながら、直接向かう。
小さい入口を入ると受付にオジさんがいて、訊ねるとシングルルームは空いていた。良かった~。
一泊朝食付き45ユーロで、駅前で清潔で窓もあって、トイレシャワー付きでテレビ、ドライヤーもある!大満足。

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少し休んで荷物を置き、部屋を出て、受付で鍵を預けると、さっきのおじさんじゃなくて若い女の子が2人。

この後、ちょっとした問題が生じまして、ブログには書かないでおきますが、この受付に居た2人の女の子としばし押し問答となり、、。
原因は私が100パーセント悪いので、キャンセルして帰れば良かったのに、何故か私もごちゃごちゃ話してしまい。可笑しいのはあちらは英語で私はたどたどしいイタリア語で。全く奇妙な会話。
フィレンツェの滞在先の大家さんに電話するから、貴方はとりあえず良いから、と言われ、そのまま曇り空のArezzoの街に散策に出た。
あー、ちょっと気が抜けてたなぁ、と反省しながら、フィレンツェのTeresaさんや娘さんのPatriziaの電話番号を教えたことに後悔した。
馬鹿だわ、私と、、かなりブルーになりながら歩いたArezzoの街は全く楽しくもなく。
とりあえず写真だけ、、すみません。

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有名なGrande広場。ちょっと坂になっていて、ここで毎月、蚤の市とかも行われます。

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このDuomoにもPieroさまのフレスコ画「マグダラのマリア」があります。

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題材のイメージとは違い、なんと大らかで意志の強そうな力強いマグダラのマリア。

有名なPiero様の代表作のフレスコ画「聖十字架列伝」がある、
S.Francesco教会。

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中は整っています。拝観料がかかりますが素晴らしいので是非、オススメです。
Arezzoにはアンティーク店がたくさんあります。昔訪れたときは絵描きさんのアトリエも沢山ありました。

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結局、気持ちも落ちつかないので
やっぱり泊まらないで帰ろうと、ホテルに戻ると、さっきの女の子達は何も言わないで鍵を渡すから、私の方から聞くと、「Non ce problema」(問題ない)と。
なにそれ~も~、(-。-;と心の中で叫び、気が抜けた。
ここの人のコロコロ変わる態度はトスカーナのコロコロ変わるお天気や気候にリンクしてる?。とりあえずナントカなるというのはイタリアではよくある話し?かもですね。

kirinrin713kumiko at 16:32|PermalinkComments(0)イタ話 

Firenze10

14世紀の作家、Domenico Ghirlandaio(1449~94)のフレスコ画が観たい時は、S.MariaNovella教会に行くと良いです。日本ではクリームとか香水?薬局の方が有名ですね。

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私はこの教会のアルベルティが設計したファザードは特に好きです。大理石の色も柄も。

堂内にはGhirlandaio工房作のマリアの物語が鮮やかに残っています。

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美しい画面が、迫ってきます。画面の中から人々の言葉すら聞こえてきそう。

その他に中央部の天井からさがるGiottoの「十字架像」の強い存在感と神々しさにはいつも圧倒され。

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美術史の上でも重要なMasaccioの「三位一体」のフレスコ画もあります。

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Filippinolippiの「聖ヨハネとピリポ伝」のフレスコ画は躍動感溢れ、鬼気迫るものがあります。

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La Capilla AbsidalにあるAndrea di Bonaiuto(1365~67)のフレスコ画は修復されたのか、色彩も鮮やかで細やかな形態や絵柄が見応えあり。

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出口方向に進むと立派な糸杉のある通称、緑の回廊。とても印象的です。

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また、別の教会になりますが、Ghilrandaioの板絵、フレスコ画はS.Trinita教会にもあります。

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こちらも、少し暗い場所ですが、とても美しく完璧な画面です。
壁面のフレスコ画「聖フランチェスコ伝」と、祭壇画の「牧者の礼拝」。

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その他、Ognissanti教会とS.marco美術館のお土産売り場にはGhilrandaio作でそれぞれ同じテーマ「最後の晩餐」のフレスコ画があるので、見比べても面白いかもしれません。

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2013年05月30日

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誰にでも、自分だけの好きな場所があると思う。ナゼか分からないけど、居心地の良いところ。

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今日も朝から晴れ。少し風は冷たいけれど、SITA社のバスでColle di val d'elsaへ向かう。
約1時間半くらい。あまり知名度は無いからか、静かで小さな街。一応、クリスタルの生産で有名?らしいけど。

留学時にも、二回行き、これで三回目。イタリア人のTeresaさんすら「Dove?(どこ?)」と、知らなかった。

バス停から降りると、懐かしいPiazza.

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ほーら何にもない、静か、、。ご年配のおじいさんばかりがベンチに座って談笑していた。

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この街はBassa(低地)とAlta(高台)に分かれていて、Bassaには銀行やレストランなど普通の街。
いつも立ち寄ってしまう歴史のありそうなBar。

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公的のエレベーターで上がると、見晴らしの良い高台に!

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眼下にはBassaの街の屋根。

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CortonaもS.gimignanoもAssisiも、勿論見応えのあるステキな街だけど、ちょっと観光地化されていて、人も多くて興ざめし、再訪してがっかりした記憶がある。
でも、このColle di val d'elsaは、中世の街並みと、そこに住む人々の生活が本当に自然にそのままあって、静かな気持ちになれる。
スケッチしながら懐かしい街を散策した。誰に頼まれた訳では無いけれど、勝手に親善大使?。

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街の人々もSimpatica!感じも良いし、インフォメーションのお兄さんも優しいし、無料のトイレもあるし!まだまだ描きたい場所もある、また来れたら来たい。

私のオススメの街です。

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2013年05月28日

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Domenica、日曜日はイタリアでは殆どのお店が閉まる。でも観光地のCentroは早朝からBarも市場も準備で忙しそう。

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朝はまだ人で溢れていない、Duomoの横を通り過ぎ、

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S.Maria Maddalena de'Pazziへ向かう。ちょっと小道をゆくとひと気のない界隈。
ここには、Perginoの奇跡のフレスコ画「十字架に架かるキリスト」がある。

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しかし、扉はいつも閉まっていて誰もいない。以前、一度だけ観れたことがあった。暗くて誇りっぽい地下のようなところを行くので、怖かった。
そのフレスコ画はフィレンツェのアルノ川洪水時、沢山の美術品が水浸しになった中、奇跡的に助かったのだ。
壁には水の線が残っていて、本当に絵の下ギリギリのところ。
何か分からないけれど、ただの絵とは思えないような、不思議な力があるように感じた。

今回も誰も居ないし扉は閉まり無理そう。ザンネン。
しばし、静かな教会の回廊にてスケッチした。
気付いたら二時間以上たっていて、またまた芯まで冷えた(/ _ ; )寒い。

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その後、Piazzale Michelangeloの方でスケッチをしばしする。薔薇が綺麗だった。午後になると陽射しが強くなる。一日にコロコロ変わる天気。
太陽を求めて皆、外が好き。

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夕方にはフィレンツェ在住のKちゃんとAndreaさんに再会した。二人とも元気そうで本当になにより!!
Kちゃんのお友達の方のグループ展示会がやっていると言うので、S.Niccoloあたりのギャラリーに一緒に見に行った。

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今を生きているアーティストもフィレンツェには沢山いて、美大や工房もあるし、ちゃんとギャラリーや発表の場もあるのだなぁ。

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