2013年05月

2013年05月27日

Firenze7

夜は9時半位には眠くなり、朝は5時くらいに目が覚めてしまう。ヘンテコな時差ボケ?
今日は土曜、朝早くにSita社のプルマン(大型バス)でSienaに向かう。

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道中から雨が降りだして、到着した時には土砂降り。
しかも、めちゃくちゃ寒い。
出発前に日本が暑かったから半袖ばかり持ってきていて、気候の違いを考えていない浅ハカな自分に呆れ。
心配症のくせに、抜けているというか、行き当たりばったりな所がある。

大雨で濡れた石畳の坂道は滑りそう。見つけたBarで休み、

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土砂降りの中、折れそうな弱々しい傘で少しづつ進み、やっとこPiazzaCampoに着いた。

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ひどい天気で写真もゆがんでます。
じゃなくて、すり鉢のような広場なので斜めってます。

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その後、必死でDumoへ。
でもチケット売場が長蛇の列(~_~;)ハア。
なんで、チケット売買だけなのに、こんなに時間かかるかなー?イタリアのナゾの一つだよ。こんなにBruttoTempoでも観光客はいっぱいいた。

Sienaには何度か来ているけれど、やはり好きな作品があるので、今回も再訪。でも、びしょ濡れだし寒さで芯まで冷えた、、我慢、と独り言。
Duomo付属美術館のDuccio di Buoninsegnaの「荘厳の聖母」!また逢えた!
14世紀初めに描かれたシエナ派の代表作。初めて見たのは、もう10年以上前の20代の頃、やはりイタリア放浪の一ヶ月間の旅にてガーンっと衝撃を受けた。それ以来、私には特別な作品。

素晴らしかった、、どんなウンチクも書ききれないくらい、ただ素晴らしい。
絵の前にある椅子に座り長時間見続け、いい加減次に行かねばと、離れる時に涙が、、。哀しくて。

外に出たら、雨は止んでいた。ふぅ良かった。

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SienaのDuomoは外観も堂内も見応えがある。
何枚写真を撮ってもキリが無い。
詳細な解説をしたいところなのですが、私の稚拙な文より巷のガイドブックの方が優れていますので、今回のブログでは写真のみで。すみません。

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象嵌を使った床面装飾が有名です。

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小さな図書室があって、そこの部屋は圧巻。

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Pinturicchioのフレスコ画に囲まれた部屋。鮮やかで眩しいくらい。

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壁周りには展示ケースがあって羊皮紙の聖歌集がいくつもある。

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気付いたら帰りのプルマンの時間!うわぁー全然時間が足りない(T . T)
急いでバス停まで小走り。シエナとはサヨナラした。

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kirinrin713kumiko at 16:13|Permalinkイタ話 

Firenze6

今回の滞在先は中心地からは少し離れた住宅街。東京で例えるなら杉並区とか豊島区とかかな?

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部屋の窓から

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自宅の空いてる部屋を留学生に貸して、朝ご飯と夕ご飯もお世話をしてくれる。Signora、Teresaさん。
いい歳して、すっかりTeresaさんに甘えているグータラな私。

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同居人はワンコのotto(意味は8)でこちらもご年配らしい。凄く賢いBuonoなワンコ。でも時々、ちょっと嬉し過ぎると粗相してしまう(^_^)私は怒らないのでとてもなついてしまった。

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日本のお土産に派手な柄の扇子とウサギの柄の手拭をあげたらTeresaさんは「日本のものはどれも可愛らしい」と言って、とても気に入ってくれた。

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私の部屋は広場に面した一人用の部屋でとても清潔で居心地良く。
人間らしい部屋で一安心だ(T . T)
「滞在中は貴方の部屋だから、自由にしなさい」と言ってくれた。三年前の留学時、最初に住んだアパートが、かなり難ありで、色んな事でずっと悩まされた。最後に借りたアパートも押入れか納戸みたいで、布団にはいっぱい髪の毛が付いていたりと、凄まじかった。
これから留学する人は我慢しないで辛い時は直ぐに変えた方が良いです。日本人は我慢強いから無理してしまう。

Teresaさんは、イタリア語の下手ッぴな私にでも解るようゆっくり会話をしてくれて、気を遣ってくれて本当に優しい方。「私を貴方のイタリアでのお祖母ちゃんだと思って!」と言ってくれた。ウルウル涙、、。

キッチンに何処かの何の変哲もない風景写真がつなげてパノラマのように飾ってある。聞いてみたら、Teresaさんの生まれ故郷だそう。

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カラブリアの出身だそう。
南のほうですね。
四人の娘息子たちが皆フィレンツェで働いているので、こちらに来たらしい。
ひ孫までいるので、多分かなりのご年配。
でも、耳も遠くないし元気に家事をこなして、20年近く留学生の世話をしている。
そして心と視野と、全てが広い。
宗教のこと人種のこと、世界は様々だと彼女は言う。
そして中でも日本人の留学生は優秀だそうです。嬉しいですね。

素晴らしいMammaに出逢えたことに感
謝。

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kirinrin713kumiko at 16:12|Permalinkイタ話 

Firenze5

二年半前の留学時に、美術館年間パスポートでフィレンツェにある大体の美術館には何度となく足を運び、これでもかという程鑑賞した。なので、今回は予算と時間の都合で主要な美術館には観に行く予定はなく。

(今回のブログは、あまり観光には役立ちそうな内容にならないかもです。ごめんなさい。
三年前の泣き言と迷走炸裂のフィレンツェ留学日記を恥ずかし気もなく、ホームページで公開していました。
そちらは、少しは詳細なイタリア案内?が書いてあるかもですが、、。なんせ膨大です)


今日は風も強くスケッチも難しそうだったし、なんだか疲れも出てきた、なのであのダビデに会いたくなった。
有名なMichelangeloのDvide像の本物はAccademia美術館にある。

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いつでも長蛇の列(~_~;)ちょっと躊躇したけど並ぶ。
そして、入るまで1時間。待っている間に、ザーっっとにわか雨は降るし、
真後ろのブラジル人女子の大音量会話にも耐え、ようやく入館した時は既にヘトヘトだった。
けれど、Davide像が目に飛び込んで来た途端に、わあ!と気持ちも上がる。
天窓から射す太陽の光に照らされたダビデの陰影とフォルムは美しくて力強い。溢れるパワー、元気をもらえる。
きっと、昔のフィレンツェ人も英気を授かったに違いない。

この美術館の二階には祭壇画だけの展示になっていて、RorenzoMonacoが好きなので、再見しに階段を上がる。
なんと、以前は無かった、板絵のテンペラ画の制作工程を映像で流している!下地から、下絵、金箔はりと、メノウ磨きや着彩まで。一連の作業の流れを中世の頃のやり方で紹介した映像。
このビデオ欲しい!と思ったけど売ってるわけないな。
でも、私の先生やテンペラ画仲間がいかに古典に忠実に制作し、技術を習得しているかと、このビデオを観て改めて思った。

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kirinrin713kumiko at 16:11|Permalinkイタ話 

Firenze3

7番のバスでFiesoreへ。
フィレンツェから15分くらい上がると眼下にフィレンツェの街が広がる。丘の上の小さな街。

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スケッチしようと思って来たのに、水を忘れた(~_~;)
仕方無いから持参のオレンジジュースを使ってみたけど、当たり前だがベトベトしてきて、アリも寄ってくるし、着彩は諦め、鉛筆だけで。
トレッキングコースが何通りがあって、地図に沿って行くことに。簡単なコースなのに道に迷いつつ。

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だんだん、山道になってきて結構大変。侮れませぬ。

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リスや鳥のガサガサッという音に1人ビックリしながら、テクテクと行く。自然に溢れていて、子供のころ好きだった赤ずきんちゃんの物語を思い出した。ヨーロッパの自然があったから生まれた物語。日本にも日本の環境で生まれるものがある。

ようやく、また元の広場に戻ってきて、バス停前にある教会の中で一休み。教会の扉を開けると、誰もいない。オルガンの宗教曲が鳴り響いていた。

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ふと奥をみたら、オルガンを弾く男性。その横に天使がちょこんと座っている、と思ったら、小さな女の子。
おじいさんの弾くのをジッと座って聴いている。
多分、お祖父ちゃんと孫なのかな。

演奏を終え二人はお祈りをして、外へ出ていった。
私も帰ろうと思って外に出たら、ニャーという鳴き声に振り返る。

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そして、さっきの女の子。
あの天使ちゃんの猫ちゃんだったみたい。

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さよなら、またね。

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2013年05月25日

Firenze2

今回の目的の一つ、S.Marco美術館へ。

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美術館といっても、元は修道院で、隣は教会。画僧であるFraAngelicoの作品を観ることができる。

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Fra Angelicoの「Tabernacolo dei Linaioli」が永い修復期間を終えたのだ。
絶版になった黄色の表紙の画集で初めて見た時に、FraAngelicoを大好きになり、テンペラ画を深く学びたいと思うきっかけになった作品。
遂に対面できた。
その作品は納まるべき場所にがっちりと納まって、威厳と気品に満ちていた。色彩は鮮やかで、楽器を奏でる天使、聖母子の表情はただひたすらに、柔らかく優しい。
近距離双眼鏡でじーっと、しばし鑑賞。素晴らしいなぁ!と感動しつつ、ふと横を見たら、近代的なデジタル画面が!なんと、作品画面を自身で拡大したり解説を詳細に見れる文明の力が!なんという進歩!双眼鏡要らず!
これは、模写をやる場合はかなり役立つでしょう。
その他にもフレスコ画の修復の解説映像があったりして、興味深い。日本の和紙が大活躍していた。

何度となく訪れたはずのS.Marco美術館、でもあの受胎告知に迎えられ、息をのむ。服のヒダから雑草の一本一本まで、全てに魂が宿っている、穢れの無い静謐な世界。
やはり改めて感動し、
メモメモ!_φ(・_・
気付くことが色々あった。
たぶん、訪れる度に何かを諭されるのかもしれない。一生。

特別なことは何もいらないのかもしれない。


結局、半日くらいこの美術館に居て、出る頃には喉カラカラ、お腹ヘリまくっていた。
出口をでたら、Botticelliの絵に出てきそうな花が。

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まるで天国みたい、と思った。

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