2019年07月
2019年07月14日
2019年07月12日
2019年07月06日
クリスチャンボルタンスキー展
初めてクリスチャンボルタンスキーを知ったのは、いつだったか思い出せない。たぶん、学生くらいの時、美術雑誌か何かで彼のモニュメントという作品の写真記事を見て、祭壇画のような美しさと崇高さを感じると同時に残虐さのような怖さがあって、ずっと魅かれる作家でした。
今、日本で大規模な彼の回顧展が開催されるとは、ちょっと驚きました。初期のものから新しい作品まで代表作を日本で展示できて、観れるとは夢にも思っていなかったです。

初期の作品から順に見ていくことで彼の表現について、以前より少しだけ知れたように思います。
作品が彼の生い立ちや子供時代の経験が深く結びついていて、そして何より西洋人である上で成り立つ作品はもしかしたら、日本人の今を生きる私には完璧には理解出来ないのかも知れないけれど、生と死、個と集団、存在と無、宗教、そういうテーマが執拗にまで追求し表現していて、ちょっと本当に恐怖すら感じました。
もしかしたらアートが彼自身のトラウマを回避する為の作業だとしたら、彼の中には深い深い何かに囚われていて、それを死ぬまで探求し表現していくのでしょう。
彼が「自分で自分の宗教を作った、クリスチャン教、信者は私一人」と言ってるように。
でも、最初に制作したビデオ作品は正直、もうこういうのはいいって!って思ってしまった。時代だから仕方ないのだけど衝撃と嫌悪でショックを与える作品は気持ち悪くなるだけで。。。昔の演劇にもあったけど。
だから時代を経て作品が洗練され美しくなって、規模も大きくなっていくのは、それを支えた理解ある社会とお金のあるアート好きによるものなので、やっぱり、ヨーロッパやアメリカは凄いなあと思いました。
日本はアートや哲学よりも経済第一主義できてしまって、でも近年、自然災害とか理由の無い異常な事件とかお金じゃどうにも回避できない解決できないことが増えて、漠然とした不安に覆われていて。
私自身、アートや絵を描くことで救われている部分が大きいな、と改めて感じました。


最近、そういうの増えてますね。