リア王@池袋芸術劇場プレイハウス「花まつり」グループ展@銀座ミーツギャラリー

2024年04月14日

春の独り言

1800年代のフランス、ロマン主義の作品で「メデューズ号の筏」という暗くやたら大きな作品がある。学生の頃に行ったルーブル美術館で観た記憶はうっすらあるけれど、美術館にある他の多くの芸術作品群に感動の嵐で、若い学生の自分にはさほど心に残らなかった。
その絵の作者、近代絵画の先駆者と言われるテオドール・ジェリコーの事も殆ど知らなかった。
その画家の半生を描く漫画があるのを知ってなんとなく読んでみた。
1巻で完結なのだけど、読み途中からズキズキと心に刺さる。フランスパリで裕福な家に生まれた美青年のジェリコーは、父親には画家を反対されながらも、ひたすらに芸術と真摯に向き合い、人間の本性を暴き出すような絵を描こうと、あの悲惨で残酷な筏の絵を描く。
作品を描くまでも完成させた後もずっとジェリコーは満たされる事は無くて、いつも自分を責めている、そして鬱病にもなってしまう。。。
最後の章にはドラクロアも出てきて、ジェリコーがドラクロアに大きな影響を与えていた事も漫画には描かれている。
ジェリコーという若い天才画家の荒々しい半生がドラマチックに描かれていて、最後の方は読みながら涙がボロボロ出て止まらなかった。
それにジェリコーを検索して出てきた肖像画もめちゃくちゃ美男!かっこよすぎて、後ろに倒れそうになった。
そんな胸熱な中、朝ごはんを食べながらテレビの日曜美術館を観ていたら福田平八郎の特集。
そして、またもや頭をガーンと石で叩かれるのような、、ショック。ああ、本当に、あくなき芸術への探究心。平八郎が自分の表現を追求し過ぎて神経衰弱にもなる所とかジェリコーと平八郎と重なって、えー!!なんというかまた同じお告げというか、自分の心にどーんと乗っかってきて。胸がいっぱいになり押し潰されそうに。
はたして自分は自身の命を削るほどに努力しているのだろうか?
自分は本当にダメだって責めてしまって猛省で落ち込みそうになった。
けど、けど、それは仕方ないと、私は天才じゃないからと自分に言い聞かせて。己れが生きている事を自分で肯定作業。開き直りというのかな、そうじゃなきゃ絵なんて描けない。天才じゃないのに絵を描いてるなんて意味があるなだろうか、滑稽。
哀れで罪深いだけだから。
でも芸術への崇高な気持ちを少しでも想いながら、原点回帰しながら、制作していきたい。沢山の雑念や、つまらない事でクヨクヨしたり迷うけれど、芸術への憧憬を持ちながら、描くことはやめないで生きていきたい。



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kirinrin713kumiko at 19:03│Comments(0)無題 

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